「夏にウールは暑くないですか?」という質問を、毎年この時期にいただきます。答えは、ウールの種類と織り方によります。ビエラ産の軽量ウールは、夏の屋外でも着られる素材です。その理由を、できるだけ具体的に説明します。
ウールの吸湿性について ¶
ウールは、繊維の内部に水分を吸収する性質があります。汗を吸って、外に逃がす。この性質は、コットンやポリエステルとは異なります。コットンは水分を表面に保持しやすく、濡れた感触が続きます。ポリエステルは吸湿性が低く、汗が肌に残ります。軽量ウールは、吸湿と放湿のサイクルが速いため、夏の屋外でも比較的快適に着られます。
リネンとの混紡が意味すること ¶
リネン(亜麻)は、ウールより通気性が高く、熱を持ちにくい素材です。ウール60%とリネン40%の混紡にすることで、ウールの吸湿性とリネンの通気性を組み合わせることができます。ただし、混紡の比率と織り方によって、最終的な風合いは大きく変わります。Trelzov Veltのリネン混ジャケット「稜線」は、ビエラの工場で試作を三回繰り返して、現在の比率に落ち着きました。
裏地の役割 ¶
夏のジャケットに裏地を付けるかどうかは、着心地に直接影響します。裏地がないと、表地が肌に直接触れるため、素材によっては不快感が出ます。一方、厚い裏地は熱がこもります。西陣の薄絹を裏地に使うのは、滑りが良く、かつ熱を保持しにくいからです。絹は軽量ウールと同様に、吸湿と放湿の性質を持っています。
手入れについて ¶
リネン混のウールジャケットは、着用後にハンガーにかけて一晩休ませることで、形が戻ります。シーズン中は、クリーニングは二回程度で十分です。汗が気になる場合は、裏地を軽く湿らせたタオルで拭くだけで対応できることが多いです。保管時は、型崩れを防ぐために肩幅に合ったハンガーを使ってください。
夏のジャケット選びで迷っている方は、まず試着してみることをお勧めします。素材の感触と通気性は、着てみないと分かりません。アトリエへのご予約はメールまたはお電話で。